1983年公開の旧い映画ですが、近年でも話題に上ることが多い作品です。
広島県尾道市を舞台にした「尾道三部作」の一作として、大林宣彦監督の代表作に連ねられています。
同監督が2020年4月に亡くなられたため、4月18日には追悼の意味を込めた再放送が行われたりもしました。
本作が恒常的に注目を集める理由として、原作である同名小説がメディアミックスの底本として定番化しており、近年においても度々リメイクされていることの影響が大きいでしょう。
2006年のアニメ映画(監督:細田守、主演:仲里依紗)、2010年の実写映画(監督:谷口正晃、主演:仲里依紗)、2016年のテレビドラマ(主演:黒島結菜)、2015年の舞台版(演劇集団キャラメルボックス)と、2000年代においてもその勢いは留まるところを知りません。
本ブログでも、原作小説及び2006年のアニメ映画版を既にレビュー済みです。
リメイクされるたびに、「時をかける少女」映像化の元祖として注目を集めるのが今回取り上げる1983年の実写映画版であり「元祖」足りうるだけの知名度を維持しながら愛され続ける作品になっております。
また、注目を集める二つ目の理由として、原田知世さんが本作の主演を務めていることが挙げられます。
1980年代に一世を風靡したアイドル女優で、近年でもNHKの連続テレビ小説「おひさま」や「半分、青い。」に出演するなど精力的に活動されています。
そんな原田知世さんの出世作にして代表作であり、その魅力を存分に引き出した作品としての知名度が本作にはあるのです。
中学校を卒業して高校に入学するまでの短い期間でこの映画の撮影に臨んだというのは驚きのエピソードですよね。
(というか、まだ高校生になっていないのに高校生役を演じていることが驚きです。逆はよくありますが、10代の役者が自分よりも僅かでも年上の役を演じることは珍しいのではないかと思います)
さて、そんな作品をこの令和の時代に鑑賞してみたわけですが、まぁまぁ良かったけれどべた褒めするほどでもないと感じました。
独特の演出及びラストシーン付近の展開は惹きつけられましたが、それ以外はありきたりという感想です。
あらすじ
主人公、芳山和子(よしやま かずこ)は高校1年生。
新学期早々の4月16日(土)に、クラスメイトである深町一夫(ふかまちかずお)及び堀川吾郎(ほりかわ ごろう)と一緒に理科室の掃除を命じられる。
掃除が終わり、一夫と吾郎が鞄を取りに行くと、和子は理科室で一人取り残される格好になる。
静まり返った教室の中で佇んでいると、鍵が閉まっていて無人であるはずの実験室から物音が聞こえてきた。
恐る恐る実験室に入った和子は、実験室に漂っていた白い煙の匂いを嗅いで失神してしまう。
週が明け、4月18日(月)、和子はいつも通り登校して帰宅した。
その晩、尾道一帯は地震に襲われ、吾郎の隣家が火事になる。
吾郎の家が火事なのではないかと心配して駆け付けていた和子は一安心して帰路につくのだが、そこで目を覚まし、地震や火事が夢だったのだと悟る。
しかし、「翌日」の4月19日(火)に和子が登校すると、誰もが「今日」こそ4月18日の月曜日なのだと言って憚らない。
先生が出す問題は和子が「昨日」解けなかった問題であり、4月19日(火)は学校を休む予定だと言っていた一夫もなぜか登校している。
もしかして、今日は本当に4月18日(月)なのか。
でも、それは「昨日」のはず。
疑心暗鬼になる和子を、まるであの夢の中で起こったような地震が襲い......。
コメント
初めまして。映画ブログを運営しているものです。
時をかける少女のアニメ映画は観たことありますが、その原作ともいえる映画あったとは知らなかったです…
結構お気に入りのアニメ映画なので、この古い映画も気になります。
やはり今の映画と比べると見劣りするでしょうが、改めて昭和の映画に触れてみたいという気持ちもあるのでちょっと観てみたいですね。
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はじめまして。ブログをご覧頂きありがとうございます。
オレンジさんのブログも面白いですね。ブログ村の応援クリックいたしました。
私もアニメ映画版のファンで、そこから情報収集するうちにこの実写映画版に辿り着きました。
「昭和に『時をかける少女』の実写映画をやったら確かにこんな感じなのだろうな」という作品で、
アニメ映画版や原作小説と対比しながらだと楽しめると思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。